しっかり教えたい「だし」の味 (伏木先生)

 



世の中には理屈抜きにおいしいと感じるものが3つあります。

それは「油」と「砂糖」、そして「だし」です。

これらのものをおいしいと感じるのは「薬理学的なおいしさ」があるからで、さまざまな味覚の要素としても大きなウェイトを占めます。

和食離れ、ごはん離れの要因のひとつとして、日本の食卓に欧米の食事が定着してきたことが挙げられます。
実は、欧米の食事には「油」と「砂糖」が多く、やみつきになる成分がいっぱい含まれているのです。

それを何も考慮しないで子どもたちに食べさせていると、「油」や「砂糖」の味になじんでしまい、欧米食を好むようになっていくのは当然のことなのです。


日本の食事は健康面において非常にすぐれています。
もっとこのことを知らせていくことも大切ですが、それ以前に、子どもたちに対し早くから「だし」の味を教えることが大切です。

「油」と「砂糖」が多い欧米食ですが、薬理学的なおいしさは3つともおいしさのメカニズムは同じですので、十分に対抗できるはずです。
しかし、そのまま放っておいたら「油」と「砂糖」に負けてしまうので、早くから「だし」の味を与えて親しませることで、「だし」のおいしさに目覚めさせることが肝要になってくるのです。


かつてまだラーメンが「中華そば」と呼ばれていた頃はあっさりしていましたが、背脂を入れたりして、こってりさがエスカレートしてきました。

しかしおもしろいことに、そうなってくると今度は逆に、もともとのあっさりとした中華そばに回帰しようとする傾向がみられたり、中にはものすごくあっさりとした和風の吸い物のようなラーメンも登場するようになったりしてきています。
あっさりとした魚介類系の「だし」の味のラーメンが、けっこうな人気だったりするのです。


甘いもの、脂っこいものがおいしいことは否めません。
けれど、そればかりを食べ続けていると飽きてきて、どうしても満足できない部分が出てきます。

一方で、あっさりとした旨みの方が飽きにくくて、上品な味わいがあります。
つまり、おいしさを極めていくと、魚介類系のあっさりとした「だし」にたどり着くのではないのでしょうか。

だからこそ、子どもたちに「だし」の味をしっかりと教えていくことが大切なのです。

2010.12.01 Wednesday ごはん授業 00:00 comments(0)