蛇紋岩米(じゃもんがんまい)って何?

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昨今のグルメブームで、「おいしいお米」の需要はますます高まっています。

それにともない米のブランド化も進み、今やそのおかげで新潟の一地方、魚沼という地名はおいしいお米のとれる場所として全国に名をとどろかせています。


播州米、篠山産コシヒカリ、但馬のコウノトリ米などのブランドがある兵庫県もおいしいお米の産地、つまり「米どころ」です。

そのなかに「蛇紋岩米」といわれる、おいしいお米があることをご存じでしょうか。


蛇紋岩米は、兵庫県北部の但馬地方、現在の養父(やぶ)市、旧八鹿(ようか)町の八木川流域などで生産されています。

流通量が少ないこの「幻の米」は甘みと粘り強く、つややかで光沢があり、ふっくらしていて粒も大きめで非常においしいと評価されていますが、その大きな理由は土壌と水にあるようです。


201011_06_2.gif蛇紋岩とは岩の表面に蛇のような文様が観られることからその名が付いた岩石で、養父市の南但山地で、東西約20km、南北約5kmにかけてレンズ状の大きな蛇紋岩岩帯が広がっています。

ちょうど八木川の右岸に該当する場所です。

旧但東町(現・豊岡市)にも蛇紋岩の地層があります。

蛇紋岩はカンラン石や輝石がもととなっています。

カンラン石や輝石(きせき)は有色鉱物といわれ、一般的に鉄、マンガンほか微量ミネラルの含有量が多く含まれています。


肥料の三大要素、窒素、リン酸、カリウムのみの肥料で育てた米より、ミネラルを含む肥料で育てられた米の方が食味が良いという実験結果もあることから、ミネラルは米の食味を向上させる働きがあるといえます。


また、蛇紋岩は風化しやすいという性質を持つことから、長い年月をかけてミネラルを含む蛇紋岩の成分が風化、八木川流域で堆積し、それが現在米づくりの土壌をつくっているということは想像に難くありません。

特にこのあたりの土壌のマグネシウム含有量は通常の約2倍ともいわれ、カリウムの含有量も豊富。

その上粘土質で、米づくりにはまたとない条件の土壌を誇っています。


おいしいお米が育つ必須条件に、水質が挙げられます。窒素含有量が少なく、ミネラルが豊富で、冷たい(けど冷たすぎない)水、つまり山に近い清らかな水が絶好の条件となります。

その条件に当てはまる氷ノ山(ひょうのせん)山系から流れ出るわき水や雪解け水といった天然水は、山地に隣接する水田に注がれます。

蛇紋岩米の生産地では土壌のみならず、稲を育む水にもマグネシウムやミネラルを豊富に含みます。


蛇紋岩米はこのように奇跡的ともいえる条件で育てられていますが、生産地には篤農家も多く、化学肥料を使わず有機肥料で育てるなどの努力をされています。

魚沼産コシヒカリに勝るとも劣らないという高い評価を得る蛇紋岩米。

その甘みと粘りのハーモニーは、まさに自然と人との犇奏曲瓩覆里任后



参考文献
農文協編『おいしいコメはどこがちがうか』社団法人農山漁村文化協会
神戸新聞出版センター編『兵庫県大百科事典(上巻)』神戸新聞出版センター

2010.11.08 Monday 兵庫の自慢 00:00 comments(0)