米と文学<俳句その1>

 100927.jpg室町時代に流行した連歌に庶民的な視点を加えたものが俳句です。
日本語の美しさ、味わい深さが季節感とともに込められ、親しみやすい「和」の文化の代表として現在でも愛好者がたくさんおられます。


日本の食文化の中心であるお米にまつわる句も多く、ご組の国語授業としては、ぜひ押さえておきたい項目です。

今回はその俳句を取り上げる第1回として、江戸時代の代表的な俳人、松尾芭蕉と与謝蕪村の田や稲のある情景を詠んだ作品を鑑賞しましょう。










松尾芭蕉(1644年〜1694年)

伊賀の国(現在の三重県伊賀市)出身、江戸時代前期の俳諧師。東北から北陸を半年かけて巡った紀行文学「奥の細道」が有名で、ほかにも「野ざらし紀行」「更科紀行」などがあります。生涯にわたり旅を続け、51歳で大阪で亡くなりました。

芸術性の高い蕉風と呼ばれる作風を確立し俳聖と呼ばれました。人間に対する暖かいまなざしと日常の出来事に対する繊細な観察眼で、現在でも多くのファンを持っています。

芭蕉句集

早苗とる手もとや昔しのぶ摺(ずり) 
(「しのぶ摺」とは、しのぶ草を布にこすり付けて染める技法)

田一枚植て立去る柳かな

よの中は稲かる頃か草の庵

刈りかけし田面(たづら)の鶴や里の秋

新藁(しんわら)の出始(でそ)めて早き時雨(しぐれ)哉


与謝蕪村(1716年〜1783年)

江戸時代中期の俳人、画家。現在の大阪市都島区に生まれました。20歳の頃江戸に下り早野巴人に師事し俳諧を学び、その後丹後、讃岐などを巡りました。42歳の頃から京都に居を構え、以降68歳で亡くなるまで京都を中心に活躍しました。

松尾芭蕉、小林一茶と並ぶ巨匠の一人で、江戸俳諧中興の祖といわれています。また、俳人であると同時に優れた画家でもあり、俳画の創始し、写実的で絵画的な発句を得意としました。

蕪村集

けふはとて娵(よめ)も出(いで)たつ田植哉

稲かれば小草(をぐさ)に秋の日のあたる

落穂拾ひ日あたる方へあゆみ行(ゆく)

山々を低く覚ゆる青田かな

田に落て田を落ゆくや秋の水



(その2につづく)

<参照・出典:「蕪村俳句集」岩波文庫、「芭蕉俳句集」岩波文庫、伊賀市公式HP>


2010.09.20 Monday お米の話4 00:00 comments(0)