「稲」の付く言葉

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米は日本人にとって大切な食べ物ですから、それだけ言葉にも深い思いが込められています。
米がとれる植物は稲、その実が籾(もみ)、精米すると米、それを炊くと飯(めし、ごはん)とそれぞれの段階に言葉を与えて大切にしてきました。
日常で使うごはんと米にかかわる言葉の意味をみてみましょう。


「めし」と言うと今では少し粗野な響を持ちますが、もともとは「召す」の尊敬の動詞で、「召し上がる」「召し給う」という敬語から来ています。
「神様の召し上がりもの」「神が召し給う」の意味で、わが国では古くから、お米は神様が食べるもので、人は神の「おさがり」をいただき、神様と同じものを食べることによって御加護を受けたいという思いが込められていました。
「いただきます」と普段私たちが食事の前に手を合わせるのも自然の恵みや作ってくれた人への感謝の気持ちを表したものですね。このように、「めし」の語源をたどると 最大級の敬語でした。

さらに、「御飯」と御の字を付け音読みにしたていねい語は、ごはんがありがたいものという思いからきています。
また、おすし屋さんなどで使われる「しゃり(舎利)」という言い方も、釈迦の骨のことで、どちらも尊いものとの意味からきています。

ご飯をお茶碗に入れる行為を「よそる」あるいは「よそう」といいます。
料理では普通、「盛る」とか「盛り付けする」 といいますが、「盛る」には「山盛り」や「てんこ盛り」などのように盛り上がった状態を指しますから、ごはんにはやはり「よそる」「よそう」がしっくりきますね。

「よそる」と「よそう」の違いは、「よそう」は「装う」に通じ、「装う」+「盛る」=「よそる」との説もあります。地方によっては、「つける」「つぐ」などの呼び方があるようですが、みなさんは普段どのように呼んでいますか?

いずれの言葉も、日本人の古くからの暮らしの中で、お米の大切さ、ありがたさを反映した言葉だといえます。

いつまでも大切にしたい言葉ですね。


<参照・出典:岩波書店「広辞苑」、米穀機構・米ネットHP>

2010.09.13 Monday お米の話4 00:00 comments(0)