食生活で発がんを防ぐために

 食生活で発がんを防ぐために

日本人にとって、がんは死亡原因の1位を占める病気です。現在でも3人に1人が、がんにより亡くなっています。がんに関しては、生活習慣がある程度重要な因子であることが明らかにされています。イギリスのドール博士らによる一連の疫学的研究によれば、がんの発生の約35%は食生活に、約30%はたばこに要因があるという調査結果が得られているのです。がんの6割以上が口から入るものに原因がある訳です。

食生活は、がんと深い関わりがあるようです。ハワイに移住した日本人のがん調査によれば、日本人に多い胃がんが少なくなる一方で、アメリカ人に多い大腸がんが増加しています。欧米風の食生活になじみながら過食が増えてきた昨今の日本でも、やはり大腸がんが多くなってきているようです。

過食や脂肪過多は乳がんや大腸がん、前立腺がんの原因のひとつになっていますし、食塩の過多は胃がんを誘発する因子になっています。


一方でビタミン
ACEには発がん物質の生産を妨げる働きがあり、野菜に含まれる繊維質は腸内の発がん物質を薄めたり排出したりする作用を持っています。

また、大豆たんぱく質に含まれるイソフラボンは、男性にとって前立腺がん予防、女性にとって更年期障害の緩和に効果的であることがわかってきています。体内で発生した活性酸素は細胞や血液中の脂質を攻撃して過酸化物質(悪玉脂肪)に変化させ、がんや脳・心臓血管系疾患を引き起こしますが、緑茶に含まれるカテキン、ウーロン茶に含まれるポリフェノール、ワイン(特に赤ワイン)に含まれるワインポリフェノール、ごまに含まれるゴマリグナンなどの抗酸化物質はそんな活性酸素の働きを抑制します。


食物中に含まれる発がん物質の濃度はそれほど高くはありませんが、毎日同じような食品を食べ続けると、身体をがんの危険にさらすことになります。食品群の中にはがんを引き起こす物質と抑制する物質があるので、偏食しないでいろいろな食品をバランス良く食べることが発がんの危険を相殺してくれるだけでなく、栄養面でも健康を支えてくれるのです。


アンバランスな栄養や変化のない食生活、過食、脂肪や塩分の過多、ビタミンや食物繊維の不足など、食生活の危険因子を取り除き、さらに禁煙すれば、がんを予防できる可能性は高くなります。つまり、毎日の食生活で考えて食事内容を決めることが大切なのです。基本的に食べ物に悪い食べ物はないと思います。悪いのは食べ方にあるのではないでしょうか。


2010.05.17 Monday 健康と環境 00:00 comments(0)