イネゲノムって何?

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稲は日本だけでなく世界の穀物生産量の3分の1を占める大切な作物です。

それだけに将来、世界の人口が増えても食料が足らなくならないように、稲の根本的な仕組みを解析しようという試みが1998年から世界的なプロジェクトとして進められ、2004年にイネゲノムの完全解読が完了しました。


この事業は国際的な共同研究として、日本と多くの国が参加して行われたもので、日本では、農業生物資源研究所と農林水産先端技術研究所で行われました


イネゲノムとは、稲を作り上げている全遺伝情報のことで、稲の細胞核にある染色体からDNAを取り出し、それを分解して塩基の配列を調べていきます。

DNAは4種類の塩基が対になった2重らせん構造になっていますが、この塩基の並び方で遺伝情報を伝えています。

これを設計図としてタンパク質が作られ、複雑な生命現象をコントロールしています。


イネは約4億3000万の塩基がDNA上に並んでいますが、世界各国が協力して、これらの並び順を明らかにしました。

4億というとピンとこないかもしれませんが、400字詰めの原稿用紙100万枚分という膨大な量です。
それをひとつずつ調べて大型コンピューターでつなぎ合わせると、イネゲノムの全塩基配列がわかり、遺伝子の働きが解析できます。


現在は並び方が分かったので、その並び方がどのような役割を果たしているのかを調べているところです。

今後研究が進めば、病気や害虫、環境の変化に強い作物の育成や栽培方法の改良に役立ち、画期的な農作物・農業生物の作出が可能となります。

例えば、味のよいイネ品種に稲の大敵である「いもち病」に強い遺伝子を導入すれば、良食味で農薬がいらない稲ができます。

ほかにもこれまでに無い機能成分を持った植物や厳しい環境でも育つ植物を生み出すことができると期待され、食糧問題を解決する上で大変役に立つことでしょう。



<参照・出典:農林水産省HP、農業生物資源研究所HP、農水省農林水産技術会議事務局技術安全課>

2011.02.07 Monday 先端科学とお米 00:00 comments(0)