人工衛星を使った米作り

 
おいしいお米を作るためにさまざまな取り組みや新しい技術が米作りに利用されています。

その中で、最近注目を集めているのが、人工衛星を使って宇宙から田んぼの状態を調べる技術(衛星リモートセンシング)です。

宇宙からおいしいお米を見分け、米作りに生かそうという試みです。






北海道立中央農業試験場(長沼町)では、人工衛星の画像を使って、お米のたんぱく質の量を調べ、地図上に表示する技術を開発しました。

元気な植物の葉は赤波長の可視光を吸収し、近赤外線を強く反射します。

これを使って「植生指数」を計算し、この値が大きいほどタンパク質の量が多いことを突き止めたのです。


タンパク質が多いとごはんにしたときに固く感じられ、おいしくなくなってしまいます。

お米に含まれるたんぱく質の量は、土壌や肥料によって変わってきますので、衛星からの情報で作ったタンパク地図は、土地の改良や肥料の選び方の参考になり、お米の集荷・出荷の計画にも役立ちます。


これまでの田の状態を把握するためには人が実際に見て歩いたり、農家の人に聞き取りをしたりと大変な手間が掛かっていました。

しかし人工衛星を使えば広い範囲を高精度に観測することができるのです。


この技術は、本州などでは田んぼの規模や天候などの違いにより北海道での試みをそのまま適用することは難しい面もありますが、人工衛星からの情報を米作りに生かそうという試みは日本各地に広がっています。

土壌マップを作って、その土地に合った品種を導入したり、収量や品質の情報、水田の管理、冷害などの被害状況を把握するのにも役立つと期待されています。

将来さらに画像の解像度が向上し、天候による影響を少なくする技術が開発されれば、農業の効率化に有効な手段となることでしょう。


※「衛星リモートセンシング」とは、人工衛星に搭載した、赤外線、可視光、電波などの機器を使って地表や地中を観測する技術のことです。広い地域を一度に観測でき、人が入れない場所や危険な地域のデータ収集が可能で、気象衛星や地質探査衛星などがあります。



<参照・出典:北海道立中央農業試験所HP、農林水産技術会議HP>
2011.02.03 Thursday 先端科学とお米 00:00 comments(0)