米づくり:棚田の話

 米づくり:棚田の話
 青々とした稲株が美しいこの時期の田んぼの光景。特に段丘に広がる棚田の光景は、どこか爐佞襪気鉢瓩魎兇犬気擦討れますよね。近年、棚田は注目 を集め、農水省は1999年に「日本の棚田百選」を発表。全国の約60自治体の自治体、地元保全グループなどの各種団体や個人で組織された全国棚田(千枚 田)連絡協議会も、全国各地持ち回りで毎年「全国棚田サミット」を開催しています。兵庫県では多可町岩座神(たかちょういさりがみ)、佐用町の乙大木谷 (おつおおきだに)、香美町のうへ山と西ヶ岡が「日本の棚田百選」に選定されています。また、多可町が全国棚田(千枚田)連絡協議会に加盟しています。
 岩座神の棚田は石積みの美しい棚田で、石垣の高さは高いところで5メートルもあります。ここでは1997年より棚田オーナー制度がおこなわれているだけ でなく、ボランティアや地元老人会による景観保全のためのマンネングサの植栽などさまざまな活動がおこなわれています。滞在型市民農園「クラインガルテン 岩座神」も人気です。

 水田は水を張るので、その一枚一枚が水平でないと成り立ちません。必然的に平地では広い面積で水平を確保できますが、勾配のある土地ではその面積が小さ くなります。特に丘陵地や山の斜面などの傾斜が急な土地に面積の狭い水田が階段状に築造されますが、それが棚田です。棚田は日本各地に広く分布するだけで なく、インドネシアのジャワ島やバリ島、フィリピンのルソン島、中国の揚子江流域や華南地域、台湾などに広く分布します。日本では飛鳥時代以前から存在し ていたと考えられています。棚田という名称は室町時代の前期の文書に登場します。

 棚田は単なる米の生産場所にとどまらず、降雨をすぐに流下させず保水するという役割や、それにともなって洪水の防止、さらに土壌の浸食を防ぐ機能を持ち、土地や生活環境の保全も担っています。

 しかし、棚田は用水の集水区域が狭く水の確保が困難で、そのため用水不足に備えあえて排水せずに湿田状態に陥りやすいという難点があります。さらに区画 あたりの面積が狭く農道が不便、通作距離も遠いので生産効率が悪く、日照不足や風通しの悪い水田も多く見られます。昨今では農村の高齢化や米の消費減少も 重なって、耕作放棄や荒廃ぶりが目立つようになってきています。

 その一方で近年狷本の原風景瓩箸靴特田の景観が見直され、「日本の棚田百選」選定など新たな観光資源として注目を浴びるようになり、能登の千枚田な どは定番の観光地として定着しています。さらに環境に関心が高まる中、荒廃する棚田を守り残そうと、グリーンツーリズムの潮流に連動し都市交流のステージ として活用されたり、オーナー制度による保全活動がおこなわれたりして、棚田は本来の生産の場として以外にもさまざまな可能性を見出されています。しか し、生産の場としての役割を荒廃させることは、棚田を守り、次世代へ引き継ぐためにもマイナスです。ごはんを食べることが、棚田の保全にもつながっている のです。

参考文献
中島峰広『日本の棚田−保全への取り組み』古今書院
歴史学会編『郷土史大辞典』朝倉書店
日本地誌研究所編『地理学辞典』二宮書店
ウェブサイト『ハートにぐっと北播磨』http://www.kita-harima.jp/
2009.08.11 Tuesday ごはん四方山話 00:00 comments(0)